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西武狭山線・西所沢1号~5号踏切
地図
OpenStreetMapで西所沢駅~下山口駅間を見る。
西所沢駅で西武池袋線と分かれる西武狭山線は西へ向かって狭山湖近くの西武球場前駅へ向かう路線だが、踏切番号としては西武池袋線と重複がある。
なお、廃止された踏切の位置は、埼玉県立図書館所蔵の所沢市全図(1957/5)を参考にした。番号がついていない踏切跡らしき場所もあるので合わせて見ていこう。
西1
西所沢駅北側にある西武狭山線の西所沢1号踏切。写真手前には西武池袋線の西所沢1号踏切がある。
この踏切は写真右側からも細道が踏切に出てくるため、踏切標識が3つある。
このページの写真はすべて2025/11/3撮影。
西2
踏切西側にある三山百箇所供養塔。三山は出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)を指し、百箇所供養は百番供養とも言われ西国三十三所、坂東三十三所、秩父三十四所の日本百観音のこと。江戸時代の文政11年(1828年)に巡礼したことを記念して建てられたものだという。
その右側のゴミ捨て場との間に細い空間が線路に向かって伸びているが、線路の向こう側にはさきほどの踏切右側にあった細道につながる道路があり、ここが西所沢2号踏切で坂を下って埼玉県道463号所沢青梅線に向かっていたらしい。
末岸架道橋
西武狭山線が西へカーブした先にある末岸架道橋。鉄橋部分は昭和4年製ということなので西武狭山線開通時に造られたもので、踏切ではないようだ。
それにしてもこの架道橋、高さ制限が1.7mという低さで背の高い人は頭をぶつけてしまいそうだ。
西3
西所沢3号踏切はすぐ西側にある大型車両通行止めの踏切。
245編成
西所沢3号踏切に進入してくる新101系245編成。
石碑
踏切から西へ進んでいったところにある坂東第一北野天満宮の石碑。長徳元年(995年)に一条天皇の勅命により菅原道真五世孫である当時の武蔵国司 菅原修成が京都から勧請したと伝わる現在の北野天神社のことで、左側の道を進んでいくと2kmほど先にある。
合祀されている物部天神社と國渭地祇(くにいちぎ)神社はなんと景行天皇40年(西暦110年)に日本武尊(やまとたけるのみこと)東征の折りに創建されたという伝説が残っているそうだ。
西4
石碑から南へ向かったところにある西所沢4号踏切は車両通行禁止。線路は堀割りを通っているので、道路も掘り下げられている。
踏切跡?
線路北側の側道を西へ進んで所沢入間バイパスの高架線をくぐり抜け、跨線橋から西所沢方向を見たところ。
昭和32年の所沢市全図では、写真左手前から右奥に向かって斜めに線路を渡る道が描かれているのだが、線路はかなり下を堀割りで抜けておりちょっと無理があるような気もする。
岩崎弁財天
跨線橋から西側には側道がないので、南へカーブしている西武狭山線から少し西側に離れ、柳瀬川の支流である六ツ家川(むつけがわ)の崖を下って岩崎弁財天へ。
岩崎弁財天は創建不明だが、江戸時代の新編武蔵風土記稿にも記載のある古い神社だ。祠の周りを池に囲まれている典型的な弁天様で、六ツ家川を流れてくる水だけではなくこのあたりに湧水があったのではなかろうか。
第一架道橋
岩崎弁財天からすぐのところにある第一架道橋の北側に不自然な築堤の空き地があるのだが、昭和32年の所沢市全図ではここを上ったところに踏切があったように描かれており、国土地理院Webサイトの昭和21年空中写真(米軍撮影)でも踏切があるように見える。
踏切番号はついておらず、昭和30年代には架道橋に置き換えられたようだ。
この架道橋、道路の高さ制限はさきほどの末岸架道橋よりもさらに低い1.4m。実際に通ってみるともう少し余裕があるように見えるが油断すると頭上が危ない。
廃自販機
第一架道橋の南側も側道はないので、西側から埼玉県道55号所沢武蔵村山立川線に向かう途中、軒先にあったサンキストの廃自動販売機。1980年代のものか?
歩道ではない
県道の南側、西武狭山線が西へカーブしていくあたりに「このトンネルは歩道ではありません」と書かれた看板が立っているトンネルがある。
水路敷が線路の下を通り抜けている場所と思われるが、まっすぐ立って通り抜けることはできない高さで確かに歩道として設計されているようには見えない。
完全に封鎖していないところを見ると、歩行者が身を屈めて通り抜けることは黙認されているようにも見える。
橋
そこから県道に戻って南へ。六ツ家川を渡る小さな橋の向こうに行き止まりの道があるのだが、昭和32年の所沢市全図ではそのまま線路を渡っているように見える。
東側
東側から見たところ。線路にぶつかって南へ向かう道の脇に、築堤の方に向かう残余地があるがそこが踏切に上る場所だったようだ。
ここも昭和30年代には廃止されていたようで踏切番号はついていない。
ブルーインパルス
ところで六ツ家川の脇を歩いている時に西側上空をブルーインパルスが飛行していくのが見えた。
この日は所沢航空祭が行われており、ちょうど展示飛行に向かう編隊を捉えたようだ。
西5
県道と柳瀬川を結ぶ道路が線路を渡る西所沢5号踏切。
旧踏切
その西側にすぐ線路を挟んで相対する道路があるが、ここも旧踏切であった。
昭和22年
国土地理院Webサイトから昭和22年空中写真(米軍撮影)
西所沢5号踏切の両側に旧踏切があるのが見える。
ここも旧踏切
下山口駅東側にももうひとつ踏切跡が残っている。北から線路に突き当たって右に曲がるところが
南側
南側から見ると写真奥のフェンスになっているところが旧踏切と思われる。
by Natrium