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カトマンドゥ(1987年11月)
旧々王宮
2015/4/25に大きな地震に見舞われたネパール。歴史的建造物の多くが被害を受けたというが、被災した方々にはお見舞いをお悔やみを申し上げたい。
1987年にカトマンドゥ近辺を訪問した際の写真を探し出したので、かつて行き交った人々に思いを馳せつつ見ていきたい。
写真は、報道でも大きな被害があったとされるダルバール(Durbar=宮廷)広場の一角を占める当時の旧王宮を見たところ。ネパールは2008年に王制を廃止したので現在では旧々王宮と呼ぶべきだろう。
Pasantapur Durbar
上の写真で左に写っているのがパサンダプル・ダルバール(Pasantapur Durbar)という塔。外側からは四重塔に見えるが、中は九層あるという。日本でいうなら天守閣というところか。今回の地震では、外から見て上の2層が倒壊した状態になっている。
1987年といえば、ビレンドラ国王が健在で国政も安定していた頃だった。カトマンドゥ市内も、全体的にゆったりとした雰囲気が流れていたように記憶している。その後の民主化運動による混乱は、まだ表には出てきていなかったころの話だ。
Durbar Square
ダルバール広場の一景。奥にクマリの館(Kumari Bahal)とナラヤン寺院(Trailokya Mohan Narayana)を見る。
Shiva Parvathi Mandir
不定期日記でも取り上げたシヴァ・パールヴァーティ寺院(Shiva Parvathi Mandir)。今回の地震で倒壊したと思っていたが、現地の写真を見る限り倒壊を免れているようだ。
Kumari Bahal
クマリの館とナラヤン寺院。左側の生神クマリの住む館はこのころ白壁だった。現在は赤い壁になっているようだが、今回の地震でもなんとか倒壊せずに済んでいるようだ。一方、右側のナラヤン寺院は倒壊した。
この写真を撮るために登っていたシヴァ寺院(Maju Deval)は1690年に建てられた最も高い建物だが、それも倒壊している。
窓
当時は、ツアー客に紛れてクマリのご尊顔を拝することができたのだが、これがクマリがお出ましになる窓。クマリの館の中庭にあった。日本ではすでにそういう風習は廃れているが、ネパールでは現在でもクマリ信仰は根強いと聞く。
この館、1757年に建てられたといういうから築230年だったということか(2015年には築258年)。
トロリーバス
このころ、カトマンドゥ市内から東の古都バクタプル(Bhaktapur)までトロリーバスが走っていた。1975年に中国から導入されたそうで、2009年の廃止(運行停止は2008年だったらしい)まで現役で走っていた写真と同型のバスもあったらしい。
街
宿泊していた宿の窓から眺めたカトマンドゥ市内の朝の風景。食堂もなく、お湯も出ないような安宿で、シャツを洗濯したら水が茶色かったのを覚えている。
Ashok Stupa
カトマンドゥの南にある古都パタン(Patan)のアショーカ・ストゥーパ。写真のものは4つあるうちの西に位置するものだそうだが、いずれもインド古代(紀元前3世紀)のマウリア朝のアショーカ王が建造したという伝説を持つ。
日本の古墳にも似た草のドームがちょっと珍しい。
Patan
パタンにもダルバール広場がある。このころはまだ、ネパールの伝統的な帽子であるトピを被った男性や、サリーを着た女性が多い。
Bishnumati
スワヤンブーの仏塔を見に行く道すがら、ビシュヌマティ川を渡るおそらくDallu Bishnumati橋から河原を見る。牛だらけですな。
Swayambhu
カトマンドゥの西にあるスワヤンブー(Swayambhu)の仏塔(Maha Chaitya)。ネパールでは仏舎利を納めていない塔はストゥーパとは呼ばないらしい。小高い丘の上にあって、日本なら大船観音といったところか。
四方を見渡す仏陀の眼が描かれた典型的なネパールの仏塔だが、描かれるようになったのは14世紀からともいわれるようだ。
今回の地震でも倒壊しなかったが、周辺はかなりの被害が出ている模様。
Nyatapola
トロリーバスに乗って終点のバクタプルのトウマディ(Taumadhi)広場にある五重塔(Natapola Mandir)。1702年の建造と伝わり、1934年の大地震では倒壊せずに残ったが、今回の地震でどうなったかはまだわからない。
(英語版のwikipediaによれば、倒壊を免れたらしい)
※現地写真では、倒壊したカトマンドゥ ダルバール広場のシヴァ寺院を誤ってこの塔と紹介しているものがあるが、塔の下の段数が異なる(シヴァ寺院は9段ある)。
Boudanath
こちらは仏舎利が収められているボダナート(Boudhanath)の大ストゥーパ。高さ36mというから、鎌倉大仏の3倍くらいあることになる。
今回の地震では、仏陀の眼の上にある塔が一部崩れた。全体としては倒壊を免れたようだが、仏陀の眼の部分も亀裂が入ったためドームを残して上の部分は10月に解体されたという。
2016/1/24にTBSで放送された「世界遺産」は2015/9の撮影だそうで、上部が解体されつつある様子が映っていたということになる。
Mountain Flight
このときの旅はトレッキングや登山目的ではなかったので、トリブバン国際空港からマウンテン・フライトでエベレスト(Sagarmatha)を見に行った。のだが、体調最悪なうえ、パイロットにあそこがエベレストだと言われた場所(矢印のあたり)は微妙に雲に隠れていてよくわからないという。
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