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妙正寺川・井草川の水路敷群(下落合の不動谷)
地図
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下落合の駅北側には妙正寺川が流れていて、川に向かって3つの谷が流れ落ちてきている。今回はその真ん中にある不動谷と呼ばれている谷筋を遡ってみよう。
排水口
昭和橋のたもとに顔を出す排水口。ここが不動谷の暗渠の出口ということになる。
このページの写真は2019/7/17撮影。
記念碑?
橋の脇にはなぜか半分地中に埋れた記念碑らしきもの(「記」まで読める)が残っている。
坂
目白通りに向かってそこそこ急な坂道で上っていく。実際には道路の右側にあるタクシー会社の駐車場が谷になっているので、川筋はそちら側にあったのかもしれない。
写真右側は進むと谷底に中落合公園があり、その南側には妙正寺川の旧流路と思われる空間があるので、元はそちらへ流れていた可能性もありそうだ。
蓋暗渠
目白通りの北側には蓋暗渠が残っていた。
嵩上げ
北側から目白通りを見たところ。水路敷は低い位置にあり、目白通りが嵩上げされているのがわかる。
水路敷
少し上ったあとは水路敷らしい細道が続く。
猫
道路と合流するところに猫が鎮座していた。その先は一見行き止まりのように見えるが…
通行不可
突き当たりの住居の右側に、通行できないが水路敷が続いていた。反対側は民家の敷地になっているので、どこかで行き止まりになっているらしい。
崖
南側から回り込んで上流を目指すが、正面のマンションに阻まれていったん水路敷は終わっている。マンションの向こうには山手通りがあり、分断されてしまったらしい。
坂
マンション脇を山手通りへ上っていく坂。見るからに急坂なのがわかる。
池跡
山手通りを渡ってオリンピック中落合店の脇を抜ける。かつてはこのあたりに池があったというが、跡形もない。近辺は大正から昭和にかけて箱根土地(現在のコクド)によって目白文化村として整備した一帯にあたり、箱根土地の本社が写真右側付近にあったらしい。
階段
前の写真突き当たりをクランク状に曲がった先に道路が続いているのだが、その先にはいきなり階段で降りていく窪地がある。もともと、ここも含めて下流までが不動谷と呼ばれる谷だったものが、目白文化村の造成で途中が嵩上げされたために、最上流部だけが窪地として残されたらしい。
ところで、不動谷という名前だが、実は古くはこの谷ではなくもう一つ東側にある聖母病院西側の谷(現在は西が谷と呼ばれているそうだ)の名前だったらしい。なぜ名前が移動したのかは分からないが、どちらの谷にも不動尊はなく、そもそも不動谷と呼ばれた理由もよく分からない。目白文化村ができる前はこちらの谷は前谷戸という字にあったという。
谷底
谷底に降りて上流方向を見たところ。奥は上り坂になっているので、いわゆる完全なスリバチ型の地形になっている。古くは坂道の手前あたりに湧き水があり、弁天池と呼ばれる池もあったという。
上流端
奥の坂道を上った先に上流端がある。古い地図では地形的にはもう少し谷間が続いていたようだが、道筋を辿れるのはここまでだ。
厳島神社
弁天池があったあたりの南側、崖上には厳島神社が置かれていた。厳島神社の祭神である市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)は宗像三女神の一柱だが、本地垂迹では弁財天と同一視されていたので、この場所に祀られていることは不自然ではない。
六天坂
おまけで、不動谷の西側にある六天坂。写真奥に写っている木立のあたりに第六天が祀られていることが坂名の由来だという。
第六天
その第六天は小さな祠だった。かつてはもう少し坂の上の方にあったらしい。

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