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越戸川と黒目川下流の水路敷群
朝霞市東部
二万五千分の一「志木」(1919陸地測量部発行)で朝霞市東部を見る。川筋が見えにくいが、朝霞駅の東側に広がる台・根岸の台地には、東から南へ回り込む越戸川に流れ込む谷と、北側を流れる黒目川に流れ込む谷が数多く穿たれている。
なお、このあたりの地名は現在は根岸台となっているが、もともとは台村と根岸村の錯雑地であって、根岸台という台地があったわけではない。
北側から朝霞駅前に食い込んでくる代官水の谷は機会を分けて見ていくとして、今回は高畑の谷から南へ向かって水久保公園の谷まで、順番に南へ向かって見ていくとしよう。
高畑の谷
柊塚
住所としては根岸台ではなく公園通りを挟んで柊坂の北側、岡三丁目の文字通り丘の上に鎮座する柊塚古墳。前方部分の大半は削られてしまっており円墳部分も雑木林になってしまっているが、周濠も備えた全長72mという堂々とした前方後円墳が黒目川と新河岸川の合流点を見渡す位置にある。一帯にかつて存在した根岸古墳群では唯一墳丘がきちんとした形で現存しているものだそうだ。
ここからの写真は2021/10/2撮影。
大日堂
柊坂の向かい側には大日堂と呼ばれている祠がある。手前に六地蔵が並んでいるのだが、7体あるような…
宮台
柊坂を下って南に少し歩いて行ったところ、宮台バス停の近くに、道路の西側に向かっていきなり蓋暗渠が出現する。ここから中に入っていくことはできないが、すぐ奥で南に折れ曲がった蓋暗渠は朝霞秋ヶ瀬通りの西側に沿って進んでいく。
御嶽山神社
通りの東側は崖になっていて、御嶽山(おんたけやま)神社がある。写真に移っている建物は本殿ではなく、伐採作業をしている雑木林の奥へ登って行ったところにあるらしい。
この高地は台地の縁にあたり、黒目川水系と越戸川水系の分水嶺にもなっているようだ。
蓋暗渠
根岸台二丁目12番地のところで、蓋暗渠が道路と出会う。
上流側
振り向いて上流側にも蓋暗渠が続いているのだが、ここも通行することはできない。
駐車場
朝霞秋ヶ瀬通りが坂道になって上っていくところで、駐車場の向こうから水路敷が通りに向かってくる。
坂道
上流側に向かって見たところ。一見水路敷は見えないが、通りの向かい側に見える矢印の部分は空中写真で見ると水路敷になっている。入っていくことは出来ず、上流側は住宅地に紛れ込んでしまいよくわからなくなっている。
上流端
谷筋としては、再度通りを渡った根岸児童遊園地のあたりと思われる。児童遊園はスリバチ状の地形になって谷頭に作られている。
阿弥陀堂
児童遊園地入口の北側すぐそばにある阿弥陀堂。
この写真は2021/11/6撮影。
旧高橋家住宅
高畑の谷の西側、台地の上にある旧高橋家住宅。写真奥に見える納屋は明治後期の建築だが、母屋は江戸時代の18世紀前半の建築といい、茅葺屋根が復元されている。
ここからの写真は2021/10/2撮影。
根岸水路
下流端
続いて、越戸川では一番下流にある谷といえる根岸水路を見ていこう。越戸川には、赤池橋の袂に北側から合流してくる。
崖下
いきなりものすごい崖の下を進んでいく。
赤池通りから
東側の赤池通りから崖に向かって水路敷が残っていた。
越戸川へ
その向かい側、越戸川に向かって水路跡の空間が残されている。
道路
狭い水路敷に戻って進むと、すぐに道路に出る。
坂
台地の上から下りてくる道と交差するために道路がかさ上げされているように見える。
根岸台四丁目
根岸台四丁目バス停で台地から下りてきた道と交差し、そこから西に向かうのが根岸水路遊歩道となる。
水路敷
ところで、バス停の向かい側から越戸川の方向、住宅の間に水路敷を発見。
砂利道
赤池通り側から水路敷を見る。砂利舗装され、植え込みも整備されて遊歩道のようになっているが、反対側が封鎖されているため道路としては機能していない。
開渠
赤池通りから越戸川方向を見る。畑の間に開渠が残っているが、水は流れていないようだ。
根岸水路
根岸水路は写真左(南)側に崖を置く形で遊歩道として整備されているが、現在でも多くの場所で湧水があり遊歩道の脇に結構豊富な量の水が流れている。
湿地
途中で住宅地の下にある擁壁が南側に回り込む場所があり、湿地になっている場所が現れる。水源に向かって歩道が整備されている。
藪
とはいえ、湿気が多い歩道の先は藪と化しつつあり、夏場に入っていくのは難しそうだ。写真奥の擁壁が向きを変える場所から、かなり量の湧水が流れて出てきている。
新屋敷緑地
そこから西側は新屋敷(あらやしき)緑地公園として整備されている。
湧水
緑地のそこかしこから湧水があるようで、遊歩道脇の水路に流れ込んできている。
北側
ふと北側のほうを見ると、こちらもかなりの勢いで雑木林のある崖が見えた。
西端
緑地の西端でいったん道路に出る。この辺りでは遊歩道脇の水路に水はなく、途中で水が流れ込んでいたことがよくわかる。
入口
西側から遊歩道の入り口を見たところ。
上流
道路を進んだ先に再び遊歩道が現れる。ここから最上流部へ向かっていこう。
ちなみに、写真左に支流の谷があるのだが、そちらは後で行くことにする。
交差点
道路との交差点を越えて最上流部へ。
上り坂
途中で水路敷は坂道になって上っていく。右側はスリバチ状になっているので、かつてはこの辺りが谷頭だったのかもしれない。
クランク
上りきる手前にクランク上の折れ曲がりがある。
上流端
台地に上って上流端に到着。正面の道路は畑に対してうっすらとした谷間になっていて、左右のどちらかから水が流れ込んできている。湧水なのか排水なのかはわからない。
ゴンボウジ坂
根岸水路の北側を台地へ駆け上がっていくゴンボウジ坂。坂上にあるのは金剛寺で、それがなまったのではなく近くにあった午房地山(ごぼうじやま)に由来するといわれている。午房地山には横穴墓群があったが、宅地開発で消滅してしまったという。
ちなみに「ゴボウ」という地名は隣の和光市にもあるが、あちらは「牛房」と書く。「ゴボウヤマ」も和光市にあるが、字は「午王山」。午王山は古くは御房山と書かれていたともいわれ、新羅の王子が住んでいたという伝承がある。牛房(ごぼう、ごんぼう)は牛蒡の古い書き方ともいわれる(いずれも牛の尾に似ているからという)が、さて、午房地山の由来はよくわからない。
この写真は2021/10/3撮影。
馬頭観音
ゴンボウジ坂を上って金剛寺に向かう分かれ道のところに建つ馬頭観音(賽銭箱の後ろ中央に隠れている小さい像がそれ)。
ここからの写真は2021/10/2撮影。
金剛寺
山門の仁王像が目を引く不動山金剛寺。
青面金剛
金剛寺から御嶽山神社に向かう尾根筋に建つ青面金剛庚申塔。
根岸水路の支流
Uターン禁止
さて、根岸水路西側の支流に目を向けてみよう。根岸水路の西側入口から少し南へ進んだところ、駐車場になっている行き止まりの場所に、崖上のマンションの擁壁に沿って水路敷がある。残念ながら両側を私有地に挟まれていて、入っていくことは出来ない。
西側から
台地に上り、西側からマンションの方向を見たところ。わかりにくいが、擁壁の下には水路敷が南北につながっている。
ここからの写真は2021/10/3撮影。
上流端
台地の道路に支流の上流端が残っていた。
石碑
上流端の向かい側にある石碑。馬頭観音と彫られているような気がするがほとんど読み取れない。
この道路、北側はさきほど見てきた根岸水路の支流、西側にはこのあと見ていく日の出橋の谷の谷頭、東には郷戸緑地、南からは稲荷山の谷が迫っており、東に進んだ根岸台自然公園と、南の稲荷神社方向が半島状に張り出した高台になっている。
祠
さきほどの石碑から少し東へ進んだところ、丁字路の突き当りにも祠に収まった馬頭観音石碑がある。
郷戸緑地の谷
根岸台自然公園
根岸水路から越戸川に沿って上流へ。赤池橋の南で道路がクランク上に屈曲しているところに、半島状にせり出した根岸台自然公園がある。写真正面の階段から公園に入ることができるが、公園の本題は台地の上にあるので、結構な段差を上らなければならない。
写真ではわかりにくいが、公園入口の右側に水路敷がある。
ここからの写真は2021/10/2撮影。
封鎖
自然公園の崖下に、郷戸緑地から流れてくる封鎖された蓋暗渠がある。
蓋
フェンスの先には状態のよい蓋暗渠が伸びている。
郷戸緑地
蓋暗渠の北側にある道路を進んでいくと、突き当りとなったところの先が郷戸緑地となる。郷戸緑地は新屋敷緑地とともに朝霞市の特別緑地保全地区に指定され保護されている。
小川
郷戸緑地は湧水による湿地となっており、突き当りになっている道路の先には小川が流れてきている。
稲荷山の谷
スリバチ
根岸台自然公園の南側には、稲荷山児童遊園地の脇を入っていったところにスリバチ状の谷がある。
グリーントンネル
前の写真右側の道は、スリバチの斜面に沿って階段があり、上っていくことができる。
またスリバチ
階段を上った先には再びスリバチ状の地形があった。左はスポーツ広場、右は市民農園として使われているが、奥のほうは空き地になっているようだ。
藪漕ぎ
藪になりかけているが、ここを通って台地の上に行けるようだ。
稲荷社
台地の上には稲荷神社がある。右側の道路を北に向かえば、根岸水路支流の上流端にあった馬頭観音にたどり着く。
日の出橋の谷
柵
越戸川が谷中川と合流する前、西側から流れてくるところにある日の出橋のそばに、一か所だけ擁壁が作られていない行き止まりの道がある。ここが水路敷なのかどうかはわからないが、ちょうどこの辺りから谷筋が北西に向かっている。
ここからの写真は2121/9/25撮影。
水路?
住宅の裏に空いた水路敷と思われる隙間。
暗渠
覗き込んでみたところ、どうやら蓋暗渠らしい。
V字谷
上流側に水路敷はないが、あきらか地形がV字谷になっているのがわかる。
緩斜面
さらに上流へ進んでいくと、根岸水路などとは趣の異なる緩やかな斜面と幅の広い谷になっていた。
排水路
やがて道路は行き止まりとなるが、その先に蓋つきの排水路が伸びていた。
行き止まり
排水路は民家の間を抜けていくが、谷頭の私有地に向かって行き止まりになっており、入っていくとはできない。
開渠
しかし、谷頭の先へ回り込んでみると、根岸水路支流の上流端から西へ向かった道路が南に転進するところで、西から開渠が流れてきている(水は枯れているが)のを発見。
配管
さらに西側の道路に回り込んで下流方向を見たところ。開渠に向かってたくさんの排水管が顔を出しているのがわかる。
最上流
道路の向かい側に行き止まりの水路敷が残っている。どうやらここが上流端ということになるようだ。
観音堂
情報過多な感じがあるが、開渠を挟んでいる道路が南側で合流する三叉路にある観音堂。後ろに見えるのは矢印の台雲寺ではなく、日英寺別院。台雲寺は根岸水路支流の上流端近くにある。
水久保公園の谷
隙間
最後に今回の探索では最も上流に位置する水久保公園の谷を見ていこう。越戸川は、赤堀橋から上流の朝陽橋までの間、和光市との市境が左岸側にはみ出しており、かつては越戸川がやや西側に流れていたのかもしれない。現在は市境が道路になっているが、その道路から越戸川に向かって、水路敷と思われる空間がある。
土管
さきほどの水路敷から上流へ向かってすぐ、朝陽橋のひとつ下流にある山彦橋から朝陽橋を見る。写真左に見える土管も気になるが、右側手前にも擁壁の切れ目に細い土管があって越戸川に水を流していたように見える。
不法占拠禁止
土管のある河川敷は入っていくことができる。対岸の草むらは国有地だそうで、不法占拠を禁止する物々しい看板が目を引く。
滝
土管の上あたりまで来て見ると、山彦橋の左岸側に大きな排水口があり、滝のように大量の水が越戸川に注いでいた。
溝
そこから上流側に戻って左岸側を見る。先ほど見えた細い配管は水路の溝の中に設けられていた。水路は市境の道路に向かって伸びている。
擁壁
市境の道路南側の擁壁の下を上流方向に見たところ。擁壁の下に水路敷があるように見える。
上流から""
上流側から見ると、民家の塀と擁壁の間に水路敷があるのがよくわかる。
砂利道
一方、朝陽橋の左岸側。一見なんということのない砂利が敷かれた空き地があるが。
市境
民家の裏側、市境に沿って未舗装の水路敷があり、水久保公園に上る階段もあってここは人が通ることを前提としているようだ。。
通れない
階段の先は通ることができないが、水路敷はさきほどの擁壁下の空間につながっている。
バーベキュー広場
階段の上は道路を挟んだ水久保公園の飛び地になっていて、バーベキュー施設として使われている。とはいえ、時節柄利用者はいないようだ。
水久保公園
水久保公園の本体は道路を渡った西側にある。水久保公園は谷の南側斜面を使って作られていて、崖下の湧水を生かした池のある公園となっている。
なお、水久保公園については勇太郎さんから情報をいただきました。ありがとうございます。
池
上流側から見た水久保公園の池。細長いので川のようにも見える。
公園先端
公園の脇には未舗装の道路があるが、写真奥は民家の敷地になっているため谷頭の様子を見ることは難しい。
谷
前の写真左奥にある階段を上って谷のほうを見たところ。どうやら、民家の先にもまだ谷筋が続いているようだ。水路の痕跡がないか探してみることにしよう。
道
緩やかな上りになっている谷底の道を進んでいく。
階段
途中、右側の擁壁が後退した場所。階段の下に気になる車止めを発見。
暗渠?
これは蓋暗渠だと思うのだがどうだろう。上流に向かって擁壁の下を進んでいるが、入っていくことはできない。
砂利
少し進んだところで道路に向かって砂利道が出てきた。やはりここは水路敷なのだろう。
排水
一方、左側の擁壁の下にも排水路らしい空間があった。
支谷
道路左側の擁壁はその先で後退しており、スリバチ状に食い込んでいる。かつてはこの辺りに湧水があったのかもしれない。
区域
朝霞市内ではときどき見かける市街化区域と市街化調整区域を分ける標識。このあたりは商業施設がないので、あまり区域での差は感じられない。
花壇
花壇の裏側に隠れているが、谷頭の手前で左側の崖に向かって水路敷が伸びているのを見つけた。
谷頭
道路が二又に分かれるあたりが谷頭のようだ。
最後はおまけで台地の上にある畑の写真。ニンジンかな?
by Natrium